事業概要
私たちは2013年〜2015年までの2年間、大阪市西淀川区に住む外国人世帯61組と出会いました。そのうち出会った子どもたちは106名でした。
出会ってきた世帯のうち95%が家庭内に日本語を母語とする人がいませんでした。そして母親の4人に1人がシングルマザー、保護者の85%が非正規雇用ということがわかりました。
日本語ができない親と暮らす子どもたちは「言葉の壁」だけでなく、社会からも孤立してしまいます。学校に行けなかったために就職ができず、相談もできず、支援を受けられないまま、孤立してしまいます。その負のループを断ち切るには学齢期の子どもたちへのサポートが不可欠だと考えています。
2016年1月に外国にルーツを持つ子どもたちの学習支援教室「きらきら」を立ち上げることができました。
私たちは実際に各家庭へ足を運ぶことで子どもたちを学習支援教室へつなぎ、家庭の状況へ応じて専門機関へつないでいます。1人でも多くの子どもたちがきらきら輝けるサポートを目指しています。
活動報告
学習支援教室「きらきら」が立ち上がりました!
学習支援教室「きらきら」の立ち上げに際して、2015年12月〜2016年3月までに 1,025,601円のご寄付を115名様よりいただきました。感謝申し上げます。(詳しくはこちらから。)
現在、地域の会館をお借りし、日本語や教科の学習に励んでいます。登録人数11名(2016年10月末現在。子どもたちのルーツ:フィリピン、ブラジル、ペルーなど)
年度 | 回数 | のべ参加者数 |
2015年度 | 20回(2016年1月~3月) | 58名 |
2016年度 | 61回(2016年10月末現在) | 495名 |
子どもたちや保護者のエンパワメント、地域や支援者のみなさまとの交流の場となるようイベントも開催いたしました!「きらきらフェスタ」
日時:2016年3月27日(日) 場所:出来島会館
参加者の中には、自治体職員の方、企業の方、地域はもちろん遠方からも足を運んでくださった方もいます。さらに、ペルー、ブラジル、フィリピン、中国の方など合計約250名にご参加いただきました。フェスタには「Nishiyodogawa International Community」のメンバーでもあり、きらきらに通う子どもたちの保護者が飲食ブース出店してくれました。地域の方や他NPOの方にも出店いただきました。パフォーマンスでは、三線やペルーのダンス、ブラジルミュージック、フィリピン出身のママによる歌を披露していただきました。
成果
子どもたちからの感想
・宿題のわからないところはちゃんと教えてくれるし、教え方がわかりやすくてわからないところをもっといろいろおしえてほしいなと思いました(フィリピンにルーツを持つ小学生)
・おもしろい たのしい(ペルーにルーツを持つ小学生)
・数学と漢字は難しかったけど、今までがんばりました。きらきらは楽しいです。(フィリピンにルーツを持つ中学生)
・これからがんばりたいことは、テストの点数を上げることです!これからもよろしくおねがいします!(フィリピンにルーツを持つ小学生)
子どもの変化
きらきらに参加した当初は… | ⇒ | きらきらでの
取組み |
⇒ | 6ヶ月後の現在 | |
ペルーにルーツを持つ小学生 | ・なかなか席につかない
・点数が悪くテストをみせない |
⇒ | ・子どものがんばりに応じてスタンプを押し、カードがたまればプレゼント!
・保護者と面談を重ねる ・親にも子どもにも「できる」に気づき、自身を持ってもらう |
⇒ | ・勉強開始よりも早く席に着き、今日の学習内容を確認するようになった。
・テストが返ってきたと、担当の講師や保護者に見せるようになった。 |
フィリピンにルーツを持つ小学生 | ・3か月間の出席率が25%
・算数が苦手で取り組まない。 |
⇒ | ・出欠状況を随時保護者に連絡
・算数の目標を毎月設定し、目標達成に向けて反復練習をする |
⇒ | ・4月からの出席率が80%以上になり、安定した学習環境が作れるようになった。
・0点だった単元で、100点がとれるようになった。 |
ブラジルにルーツを持つ小学生 | ・人前での発表が苦手
・自己紹介は周りのサポートが必要 |
⇒ | ・発表の機会を多く設ける
・講師と子どもの距離を縮める(ゲームなど交流会を開催する)
|
⇒ | ・声が大きくなり、顔を上げ自己紹介できるようになった。
・おわりの会の司会も後ろまで聞こえる声でできる。 |
「外国にルーツを持つ子どもたちのキャリアをはぐくむ事業」※本事業は子供の未来応援基金の支援を受け実施しました。
「外国人の若年者のライフヒストリー調査〜貧困の連鎖を防ぐために〜」※2016年度朝日新聞厚生文化事業団助成朝日こどもの貧困を受け実施しました。